前回の記事でご紹介させていただいたように
おいら・・・
オーストラリアの動物園や研究所で使われている「ウォンバルー」というサプリメントメーカーが発信しているX(旧Twitter)の投稿を参考にしながら、ミルワームやコオロギなどのガットローディングを始めたわけですが・・・
前回の内容の大部分は、ミルワームのガットローディングについてのものだったので、今回は、コオロギやレッドローチ、デュビアといったミルワーム以外の昆虫のガットローディングについてご紹介したいと思います。
ちなみに、「ウォンバルー」は、オーストラリアの飼料やサプリメントのメーカーで、オーストラリアらしく「ウォンバット」と「カンガルー」から「ウォンバルー」になったみたいです・・・
で・・・
爬虫類の栄養学については、まだまだ解明されていないこともあるようですが・・・
ウォンバルー曰く
サプリメントを与えていないエサ用の生きたコオロギは、爬虫類にとって必要なカルシウム・ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・チアミンことビタミンB1・ピリドキシンことビタミンB6といった栄養素が足りていないとのこと
そのため、ダスティングと言って、エサ用の昆虫に不足している栄養素を、昆虫そのものに振り掛けて爬虫類に食べさせたり・・・
ガットローディングと言って、爬虫類に必要な栄養素を、エサ用の昆虫にエサとして与え、体内に蓄積させた状態で爬虫類に食べさせるといった工夫が必要になるわけですが・・・
エサ用の昆虫に不足している栄養素を、昆虫そのものに振り掛けて与えるダスティングという方法の場合は、カルシウムの添加に偏る傾向があるため、不足している栄養素の全てを補うことが出来ないといった問題が生じます。
爬虫類に必要な栄養素を、エサ用の昆虫にエサとして与えるガットローディングという方法の場合は、市販されている昆虫用フードの多くに、爬虫類の肥満の原因になりやすい炭水化物や糖質が多く含まれており、逆にビタミンやカルシウム・ミネラルなどが低いため、何を与えれば栄養のバランスを整えることができるのかという問題が生じます。
また、ウォンバルー曰く
ガットローディングという方法の場合、栄養価をただ上げればそれで良いというわけではなく、生きエサの生産時や販売時に使われているトウモロコシを主原料とするフードの炭水化物を減らす必要があるとのこと
で・・・これらの問題を解決するための商品こそが、ウォンバルーのインセクトブースター(INSECT BOOSTER)だと言っています。
ちなみに、インセクトブースターでエサ用昆虫をガットローディングすることにより、爬虫類に必要な栄養素の全てをエサ用の昆虫に補給させることができると同時に、摂り過ぎている炭水化物を糞として押し出すことができるとのことです。
ということで、こちらがインセクトブースターの中身です。
見た目も、臭いも、米ぬかっぽい感じの粉が入っていますが、
エサ用昆虫がこの粉を食べることにより、爬虫類に必要な栄養バランスが整えられ栄養強化が出来るみたいです。
冷凍保存も可能とのことなので、長期間使用しないときや、ダニの発生が気になるときは冷凍で保存することもできますね!
で・・・
インセクトブースターを使ったエサ用昆虫のガットローディングの方法は、めっちゃ簡単です!
ということで、ここからはコオロギのガットローディング用の環境を作っていきますね
ちなみに、おいらの場合、 レッドローチやデュ ビアも同じようにしています。
で・・・
ガットローディングに使うエサは、インセクトブースターだけです。
ウォンバルー曰く
インセクトブースターの原料のポラード麦は、基本食として使用され、ミネラルやビタミンなどの栄養素が全て含まれているとのことです・・・
で・・・前回の記事でも触れていますが、栄養価を高めるために、ついつい野菜などを加えたくなるかと思いますが・・・
ウォンバルー的には、これはNGだそうです!
理由は、インセクトブースターを用いたガットローディングは、エサ用の昆虫にインセクトブースターから得られる栄養を、いわゆる「腸詰め」にするものなので、この時期に野菜を与えてしまうと、昆虫の腸内が野菜でいっぱいになってしまい、ガットローディングの目的であるカルシウムをはじめとする必要な栄養素が十分に行き渡らなくなり、インセクトブースターの効果が薄れてしまうからだそうです。
というわけで、しつこいかもしれませんが、ガットローディングに使うエサはインセクトブースターだけです。
飲み水に関しては、水入れに直接水を入れるとエサ用昆虫が溺れてしまうことがあるので、おいらの場合、キッチンペーパーに水を染み込ませて与えるようにしています。
で・・・これらをプラケースにセットして
足場になる卵トレイをセットしたら、必要な数のエサ用昆虫を入れてガットローディングの環境は完成です。
卵トレイがなければ、軽く丸めた新聞紙でもOKです!
あとは、インセクトブースター入りのエサを食べたエサ用昆虫の栄養バランスが整い、栄養が強化されるのを待つだけとなります。
で・・・
ガットローディングを開始してから 3日から5日後には、カルシウムを直接振りかけなくても爬虫類に与えることができる状態になるとのこと
これだけで、カルシウムだけをとっても昆虫に直接振りかけるダスティングの3倍以上の効果があるとのこと・・・
おいら的に、インセクトブースターをエサとしてあたえるだけで、簡単にガットローディングを行うことができるので、大変素晴らしいと思います。
で・・・
ウォンバルーでは、生きた昆虫をエサとして与える場合、多種多様なエサ用昆虫を、様々な成長過程の大きさで与えることが推奨されています。
そのため、おいらも、ミルワームをはじめ、大小さまざまなサイズのコオロギやデュビア・レッドローチなど・・・
いくつかの種類の昆虫にインセクトブースターを使ったガットローディングを行って爬虫類に与えています。
で・・・
前回の記事でも触れていますが・・・
インセクトブースターを使ったガットローディングを行っている場合で
幼少期や産前産後の母体のように、より多くのカルシウムが必要な場合はどうするのかといった疑問が浮かぶかと思いますが、幼少期や産前産後の母体のように、さらなるカルシウムの添加が必要な場合は、重金属に汚染されたカキ殻が使われていないズーメッドのレプティーカルシウムを添加するとのことでした。
ちなみに、ズーメッドのレプティーカルシウムには、カルシウムの吸収を助けるビタミンD3の有無によって、「with D3」と書かれたビタミンD3が入ったものと、「without D3」と書かれたビタミンD3が入っていないものがありますが、紫外線ライトを使っていない場合はビタミンD3が入ったものを使い、紫外線ライトを使っている場合はビタミンD3が入っていないものを使うとよいそうです。
(※ ズーメッドのカルシウムの場合の使い方です。)
まあ 爬虫類を飼育する上で、一種類のフードだけで、全ての成長具合や健康状態に対応できるものはないと思いますので、飼育者が、飼育している個体に合わせて対応していくことが大切だと言えますね。
そういえば・・・
ウォンバルーは、生きた昆虫をエサとして与えることについて
近年では、エサを生体の鼻先にピンセットで持っていくのではなく、生きたエサを追いかけ、自ら捕まえて食べることによって、爬虫類の活性や食欲が増加することが解ってきているとして・・・
爬虫類が自らエサを見つけ、捕まえて食べることが爬虫類にとって必要な行動だと主張しています。
また ウォンバルー曰く
爬虫類は、羽や足を含む昆虫の全身を食べる生き物であり、羽や足に含まれるキチン質は食物繊維として機能して、昆虫を食べた爬虫類の消化を助けているとのこと
そのため、エサ用昆虫の羽や足を排除してはならないと言っています。
昆虫に含まれるキチン質の一部は、キチナーゼと呼ばれる消化酵素によって分解されますが、爬虫類にエサ用昆虫の羽や足を排除したキチン質の少ない食事を与えると、キチナーゼの量が実際に減少し、消化能力も低下する可能性があるとのこと
消化されなかったキチン質についても、排泄物に残り食物繊維のような働きをするとのことで、羽や足があることにより、より整った排泄物の生成を助け腸の動きを助けるとのことです。
エサ用昆虫の羽や足は、消化されないから与えてはいけないというご意見もよく耳にしますが、「消化を助ける」という大切な役割があるということですね!
まあ、こんな感じではございますが、おいら的に飼育している爬虫類に与えるエサについては、妥協したくないという思いがあります・・・
おいら自身、現在のエサ用昆虫の管理方法を完成形とは思っておらず、今後の飼育経験や新しく入手した情報、新しく発売されたサプリメントなど日々様々な所にアンテナをはり、アップデートしていきたいと思います。
ということで 今回はここまで・・・
今後、気になることが出てきたら記事にしたいと思います。
YouTubeチャンネルでは、動画でご紹介していますので、是非ご参照ください!
⇒ チャンネルおさる YouTube
⇒ 爬虫類のエサ用コオロギのガットローディングについてまとめました
以上、チャンネルおさるでした!
バーイ!